prisondiary’s blog

鬱病&クレプトマニアのボクが刑務所からの日記をお届けしています。

刑務所、マジで寒い。

こんな感じで検閲を通過した手紙に日記が書かれてます!


『収監第3週目』

 

『11月24日(木)』

 朝イチで控訴の手続きをする。願い事タイムで「あの、控訴したいです」と申し出た。書類を渡され、自分で記入するのだけど、弁護士には「ご自分でできる」と言われていたが、「起訴状に準じる」記載をしなければならず、そもそも起訴状をボクは持っていないのだ。(もちろん全くの準備不足で収監された為)なので、「罪状」の起訴状での表記すら分からず、焦りまくる。マジで弁護士、ツメが甘すぎだし説明不足も多い。人間性も心から信頼できない人たちだったのがとても悲しい。文句をここで言ってもしょうがないので刑務官に質問しながら書き上げ、控訴手続き完了!ふーーーー。

 13時に初めて室外運動場へ出る。週に2〜3回、刑務官から「運動どうする?」と訊かれるタイミングがあったのだが、メンタルをやられていた為「いいです」と断っていた。今日はやってみようと思い、「運動、やります」と答えた。「室外運動」というからには屋上とか、グラウンドのような場所で思いっ切り走ったりできるのかと思いきや、室外運動場も個室なのである。これまた6畳分くらいのスペースがあり、1面が鉄格子状で外気が入るように開けている。見える景色は東拘の中庭と建物の壁のみ。上を見上げるととりあえず空は見える。なんか近い雰囲気なのは、牧場の牛舎や豚舎がビルの8階くらいにずらーと並んでいて、その一室に入って体を動かす、という感じ。狭いのでその6畳くらいのスペースの壁際をグルグルとランニングする。豚舎で平面移動するモルモットのようである。30分。ただ、太陽の光を2週間ぶりに浴びた。気持ちいい!睡眠は、太陽の光を浴びてセロトニンが作られ、それを原料に睡眠物質ができ(メラトニン)、その濃度が増して眠気となる。セロトニンは「脳の指導者」とも呼ばれ、気分や感情を安定させる。ストレスに対する緩和作用もある為、朝日や太陽を浴びることは、精神的にも、睡眠にも不可欠なことなのだ。これからはなるべく天気の良い日は、室外運動場に出よう。あーあ、どこまでも思い切り走りたいな。そう思った。

 

『11月25日(金)』

 昨日までは判決の翌日(11/11)から14日間だった為、ここにいた日数分、「法定通算」として最終的な刑期に含まれることになるが、今日からは、控訴を取り下げたり、破棄された場合、一切通算されることはなくなる。つまり今日からの1日1日は「刑期にもならず、ムダに監禁されているだけ」な可能性もあるのだ。そう考えると気が滅入る....。

 今日も外運動に30分出た。晴れているか雨かで全く気分が違う。差し入れで女優さんの写真集が届く。馬場ふみか写真集と与田祐希写真集。色彩のない毎日に、ビジュアル本は助かる。可愛い女の子というだけじゃなく、海外などで撮影されたであろう海や街や建物や、昼間の太陽や夜の暗闇や、女性の肉体や笑顔や、そんなビジュアルの色彩全てが目に尊いのだ。精神的に病みそうなところを、グッと支えてくれるような気がする。ちなみに馬場さんも与田さんもとても可愛い。読書では官本で借りたマンガ版「剣客商売」がすごく面白い。池波正太郎の原作の雰囲気と人間味をとても上手くマンガに落とし込んでいる。全部読みたいが、なぜか1巻がない。官本リストに存在せず、2巻からになっている。なぜ...?それと、手紙を書けるようになったので毎日手紙を書いている。Mへの手紙を書き始めた。明日仕上げよう。

 

 📝Prisonメモ📝

  刑が確定すると、拘置所で勾留された日数の一部は刑期から差し引いて刑の終了日は計算される。これを「法的通算」という。控訴・上告期間(14日間)と、控訴・上告して原判決が破棄された場合、全勾留日数が刑期から差し引かれる。一方、控訴・上告自体が破棄された時は、一切カウントされない。

 

『11月26日(土)』

 朝から手紙を書きまくる。14時過ぎに書き終わる。11枚。ラジオではOfficial 髭男dismの〝Subtitle〟が何度も流れてくる。ボクには好きな人がいる。収監前、ドラマ「silent」を一緒に観ていた。4話まで観た。続きを一緒に観れるだろうか?観れるとしたら3年後?一緒に観たい。「全人生をかけても、ちゃんとくつがえさしててよ」という歌詞が胸に刺さるよ。

 

『11月27日(日)』

 夜にクリームパンを食べてしまって朝を迎えた。日曜日、休日モードで特にイベントごともなく、時間をもて余す。読む本も雑誌も乏しい。鬱になりそうだ。あ、もう鬱なんだ。夜のラジオは相撲からのW杯、日本VSコスタリカ戦。結局コスタリカに負けてテンションも上がらず...。やることもないので無意味に部屋の中をランニングしていたら60分も経っていた。腹筋も70回やった。開脚をガンバロウ!

 

『11月28日(月)』

 とにかく朝が寒い。いわゆるシャバではもうそろそろ暖房が入る頃だと思うが、ここは全くそんな素振りはない。暖房は使用しないで冬を越すのだろうか?警察の留置所ではエアコンが入っており、体感的には寒さは感じなかった。週の始まりで朝から願い事や風呂や差し入れの指印押しなどで慌ただしい。13時過ぎに親父が面会に来てくれる。とてもありがたいのだけど、なぜかお互いにイライラして言葉が荒くなってしまう。住んでいたマンションの電気・ガス・水道は解約できたよう、よかった。こういう細かいことが、準備もせずこうなってしまったことでとても苦労させられる。住所変更も、転送届も、様々な契約の解約なども全く何もやれないままココに居る。今回、そのことが最もツラい。仕事をさせてもらっていた恩人のディレクターにも、まだ連絡すら取れていない。風呂の際、ここに来て初めて体重を測った(イヤ、入所の時に測ったが自分では覚えていない)74.9kg。80kgはあったはずだから、−5kg。痩せたと思う。Mに手紙を出した。真実は何も言っておらず、そのまま姿を消す形になってしまった。本当の事を11枚の便箋に書いて、発信した。届きますように、そして、伝わりますように。

 

 📝Prisonメモ📝

 以前は東北地方より北でなければ暖房は許されなかった。例えば、長野刑務所は東北より南なので、冬でも暖房は入らず、通気孔から雪が吹き込んできたという噂もある。ただ、近年では受刑者に対する人権が尊重されるようになり、暖房の面では地域に関係なく平等に配偶されるようになった....らしい。笑