prisondiary’s blog

鬱病&クレプトマニアのボクが刑務所からの日記をお届けしています。

アクリル板越しに彼女Mと再会。

 『11月29(火)』 

 9時過ぎに、社会福祉士のYさんが初めて面会に来てくれる。裁判でも証人として証言してくれた恩人。色々とグチる。特に何かある訳じゃないけど、こうやってグチれることですら、貴重な瞬間なのだ。あ、そういえば、昨日の夜に西野七瀬が出てきた。なぜ?昨日の親父からの差し入れ食品がたくさん入ってきた。チョコパイ・サバ味噌・イワシ煮ナドナド。ありがたい。魚は官の食事ではあまり出ないので食べたい。DHAやEPAを採らないと脳みそが不安だ。生魚なんて、きっと3年以上、食べられないんだろうな。ちなみに生野菜も絶対出てこない。新鮮なサラダも、数年間おあづけだ。もちろんお酒も、焼肉も、大好きなジンギスカンも。禅寺に修行に来たと思えば、それよりはマシな食事が出ていると思う。殊に、警察の留置所に比べたら天国のような食事である。留置所では同室だったヤ○ザが、「拘置所はいいぞお」と言っていたが、食事的にも、居心地も全くもって同感だ。留置所は人間扱いされてない最悪な環境だった。まだ、それに比べれば....。刑務官の人たちも、とてもマイルドで、穏やかな人当たりな人が多いと感じる。留置所では頻繁に怒号や悲鳴が飛び交っていたが、ここではそんなことはなく、静かに過ごせてはいる。室内で40分ランニング、腹筋80回、腕立て30回、ストレッチ。

 

 📝Prisonメモ📝

 警察の留置場に対し、拘置所は「法務省」が管轄する。留置場では警察署には調理キッチンなどの設備がなく、仕出し弁当の食事が出される。ご飯は白米だが、調理から数時間経っており、冷え切っていてメニュー自体も炭水化物と練り物・揚げ物など、主にとりあえずカロリー計算だけはしているという内容。片や拘置所は調理場があり、料理は受刑者が刑務作業として行っている。つまり、食事時間前に手作りされたモノで、そのメニューも野菜なども考慮された温かい食事である。ただしお米は麦飯。このように非勾留者の食事は大きく異なる。

 

 『11月30日(火)』

 そういえば昨夜、夕飯後に室内でその場で足踏みランニング運動をしていたら、夜勤らしい刑務官に激怒されてしまった...。「運動の時間」とアナウンスされた時しか、体を動かしてはいけないらしい。気をつけないと懲罰になったらマズい。反省。というか、そういう「やっていい事・いけない事」の説明を受けておらず、よく分からない事が多くて戸惑ってしまう。ルールが書いてある冊子のようなモノは読んだが、そこに書かれていない事でも、NG項目は色々とあるようだ。ちょいちょい注意は受けてしまう。まぁ、言われたら学んで、それに従うように心掛けたいと思う。顔見知りになってきた馴染みの刑務官に迷惑をかけないようにしないと。

 10時30分、「面会」と舎房のドアが開けられる。誰かと思ったらMだった!Aさんが見つけ出して、連絡してくれたんだ!ようやくMが面会に来てくれた。来てくれないと思っていた。面会室9番に入る。何を話していいかわからない。でも3週間ぶりに会えて、嬉しい。彼女は話しながら泣いていた。ゴメン。「怒ってなんてないし、もう知ってたよ」と言ってくれた。ボクも泣いた。11枚の手紙はまだ届いてないみたい。手紙を出したこと、そこに全ての真実を書いた事を伝えた。彼女は「また来るね」とちょっと笑った。会えて本当によかった。Aさんが、ボクが伝えた彼女のマンションまで行き、彼女の家を訪れて、事情を説明してくれたらしい。面識もないのに、ありがたい....。心を許せる仲間に支えてもらっている幸せと、ボクのことを想ってくれる人がいる幸せを実感して、その人たちのためにもシッカリ前向きに、頑張って行こうと決意する。夜は来てくれたMへの3通目の手紙を書いた。明日、出そう。そんなボクの人生最悪の11月は、なんとか最高と思える出来事で幕を閉じられそうだ。今夜は西野七瀬ではなく、Mの夢が見られますように。

 

収監3週目、完!!